蒼海館の殺人 Audible 版 感想 (ネタバレあり)
のっけから水害に巻き込まれてて、プロローグらへんからして中数ヶ月で山火事と水害に巻き込まれるカツラギ&タドコロコンビに苦笑するところからはじまる
ところで、終盤にこの冒頭のシーンが再度やってくるわけだけどカツラギは階段で避難者に紛れ込んでいるタダシを確認するために待ってたってことで合ってる...?
前作でも耳だけだと吊り天井の構造が分かりにくくて、半ば理解を放棄してたんだけど、本作では時系列の整理が読み上げられるだけだと全然入ってこなくて、そこら辺の話題はもう流れに身を任せることにしていた
メタの人読みでなんとなくこの作者のこの書きぶりからしてタダシがかなりきな臭いな...とおもっていたら殺されてしまって、しかし作中でも言及されているように完全に顔のない死体モノなのでこれはタダシ生きてそうだなーとは予想してた
それにしてもクロダが「増水している川の様子を見てきます」ってオイオイ!!そうはならんやろ
「指紋認証でロックが解除できるだろう?」ってそれは全然証拠能力低いだろ!! 特に自分の携帯なら尚更!! ってリアタイでツッコミを入れてたが案の定....
同様にシリンジを使った毒注入トリックもイマイチわからなかったがスルーした
毒殺って検死でバレそうなもんだが....
あと結局ソウタロウは何に怯えて警察に駆け込んだんだったっけ...??
前作の感想にもっと一族モノ要素が欲しい、と書いたらまさにそのものが投げ込まれてきてそこはかなり嬉しかった
どうせなら盛り盛りで館はもっと仕掛けがあってもよかった
ツイストは隣家(といっても遠そうだけど)からつながってる坑くらいなもんか、あとは離れの隠し部屋くらい?
離れの構造もあんまり入ってこなくてナツオとヒロオミとサカグチの写真がどうのこうのみたいのもあんまり入ってこなかった
タダシ視点でいろいろ仕掛けを準備してたってことだったが、ナンボなんでも仕掛けとして弱すぎない?とおもった
入念なように見えて雑にも見えるしイマイチ納得感が薄いのが難点
人死にももっとあってよかったし(不謹慎)、警察もバリバリ出張ってきてほしかった
タダシからしてみたら隠し財産を横取りしてやろう!ってのが目的っぽかったけど、こんなややこしい手段を選ばなくてももっとマトモに相続する方法なぞありそうだが....??
カツラギに見破られた後のタダシの描写も前作同様イマイチ魅力に欠ける描き方で、こんな複雑なトリックを用意したんだから見破られたとしても「ハッハッハ!俺にはグライダーがある!」「ハッハッハ!俺にはカヌーを用意していたのだ!」的な感じでトンズラしてほしかった
んで、実は前作の猟奇殺人鬼も実は唆していたのはタダシでした〜的な示唆があったら完全にライバルの完成だろう
続編でアスカイと手を組んでタダシの次なる事件に立ち向かう....的な展開アガらない??
めっちゃ細かい話だけど、個人的にはキタザトの信念が試される描写があってほしかった、実はタダシにある程度取り込まれていたが、亡き主君のために身を挺して...みたいな展開が好きすぎるので
カツラギが志を取り戻すのが割と素朴な救助活動...ってのはアガる展開だった
それでいうとタダシにはリドラーばりの存在感、カツラギの存在意義をもっと問うような存在だったらよかったかもなあ しかしまあ、皿泥棒も助けるケンジロウの度量の広さよなあ
あとはあんまり言いたくないけど、前作込みで人物描写がかなりワンパターンな気がした
何回喉仏を上下させてるんだ
それから、やっぱりカウントダウンが機能してない感じがするのもマイナス